極悪と戦えば極善となる

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追撃の手をゆるめるなⅡ

伸一は所化頭に反省を求める必要があると考え、総本山の内事部を訪れた。
内事部にいた宗門の理事は、事情を聞くと、「それでは彼を呼んで反省を促し、謝罪させましょう」と約束してくれた。しかし、所化頭は、自分の言動が問題にされていることを知ると、姿を隠してしまった。だが、近くの旅館の押し入れに隠れているところを見つけられ、やむなく六壺にやってきた。そこには、学会の青年部の幹部も二、三十人ほど出向いていた。


所化頭は、酒の匂いをさせながら、憮然とした表情をしていた。学会の青年たちは、日頃の所化頭の言動をあげて、その真意を尋ねるとともに、反省を求めようとした。


「あなたは、お小僧さんに、『身延の山へ行ってしまえ』といったり、暴力を振るったりしていますが、なぜ、あんな酷いことを言ったり、したりするんですか」


所化頭は押し黙って青年たちを睨みつけるばかりで、まったく反省している様子はなかった。同席していた僧侶も困惑していた。間もなく御開扉のために、日淳上人がここを通られる時間が迫っていた。青年たちは、御心配をおかけしてはならないとの思いから、場所を移して話し合うことにした。


「あなたは僧侶しとして、大事な記念行事のさなかに、毎日、酒など飲んで恥ずかしいとは思わないんですか・・・ちゃんと、質問に答えなさい」


伸一は青年たちが怒りのあまり、口調が詰問調になるたびに、「まあ、待ちなさい」と、制止することを忘れなかった。伸一は僧侶の無残な醜態を前にして、憤りを通り越して、むしろ悲しさを覚えていた。戸田が宗門の興隆のために、外護の赤誠を貫いてきたことを嘲笑うかのように、僧侶の腐敗、堕落は、限りなく進行していたのである。