極悪と戦えば極善となる

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敵は内部にあり

人間革命12巻 「後継」の章より 一部抜粋


ある時、報告にやってきた参謀の滝本欣也が、戸田にだずねた。
「先生が一日の落慶法要で言われましたように、御書も発刊され、大講堂も建立されたいま、学会は身延をしのぎ、もはや、敵はいなくなったと思います。これからの学会は、何を敵として進んでいけばよいのでしょうか。」


戸田は横になっていたが、質問を聞くと、布団の上に起き上がった。
そして、滝本の顔を見て現下に答えた。
「敵は内部だよ」



(以前、戸田先生の事業の問題に対して義弟である酒田義一に)
滝本は傲然としてこう言い放った。
「戸田先生の事業の問題は、折伏の邪魔になるんだよ」
吐き捨てるような言葉であった。酒田は愕然とした。日ごろ、口を開けば「戸田先生、戸田先生」と語り、自らが第一の弟子であるかのように吹聴していた滝本から、そんな言葉を聞くとは、夢にも思わなかったからである。初めて、滝本という男の本性を垣間見た思いがした。


戸田は、滝本が(品川の区会議員の選挙で当選したとき)、山本伸一に言った。
「滝本はいつ退転してもおかしくない男だ。だが、そんな男だからこそ、まともな日のあたる人生行路を歩かせてやりたいと思って、私は滝本を育ててきたんだよ。このまま、まっすぐに伸びてくれればよいのだがな。」


「伸一、仏法者というのは、騙されても、騙されても、最後まで相手を信じ、つつみながら、再起と更生を願って手をつくしていく以外にないのだよ。」
それから、伸一の顔を見すえ、語気を強めて言った。


「しかし、ひとたび、学会に牙をむき、仏子の和合を破壊しようとしてきたなら、その時は、徹底的に、相手を叩きつぶすまで戦うんだ。そうでなくては、創価学会が壊され、広宣流布が攪乱されてしまうからな。そうなれば、みんなが不幸になってしまう。邪悪を放置しておくのは、慈悲などでは決してない。それは慈無くして詐り親しむ姿だ。悪と戦ってこそ、正義なのだよ。広宣流布の最後の敵というのは内にこそある。城者の裏切りが城を破るのだ。あの五老僧を見たまえ。五老僧は過去の話ではない」


戸田は、未来を見通すかのように話していった。



以来、三年の歳月が流れようとしている。
戸田城聖は、いま理鏡坊の二階にあって、滝本欣也を前に、この一青年の来し方を思い起こした。そして、滝本をまじまじと見つめて、もう一度、言った。


「敵は内部だよ」


彼は、私生活にだらしなく虚栄心の強い滝本が、最後まで心配でならなかったにちがいない。