追撃の手をゆるめるなⅤ
戸田は、話すことが苦しいと見え、途中ではァはァと何度も喘いだ。
「戦時中も、宗門は保身のために法を曲げ、大聖人の御遺命を破り、軍部政府に迎合した。・・・・そして、牧口先生と私が逮捕されるや、かかわりを恐れて、学会の登山を停止したのだ。…私は、憤怒に血の涙を飲む思いだった」
彼は肩で大きく息をしながら、話を続けた。
「戦時中、大聖人の仏法は、外敵によってではなく、臆病で姑息な僧侶の保身によって滅ぼされようとしたのだ。・・・・日亨上人も、日昇上人も、また、日淳猊下も、そのことで、ほんとうに苦慮されてきた。・・・・そのなかで、厳然と、大聖人の仏法の命脈を保ったのが、牧口先生であり、創価学会なのだ。・・・だから、大聖人の御精神は、ほんとうの信仰は、学会にしかない。・・・・宗門は、死身弘法を貫いた学会と戦後、僧俗和合してきたからこそ、大聖人の仏法を継承できたのだ。・・・・。もし、学会から離れるならば、・・・・大聖人の正義を踏みにじった謗法の宗でしかなくなってしまう」
「しかも・・・・学会は、宗門が財政的基盤を失い、壊滅の危機に瀕していたのを、信心の赤誠をもって、お助けしてきた。心ある僧侶は、それを感謝している。しかし・・・なかには、学会の大発展に嫉妬し、私に対して、反感をいだいている者もいる。・・・私が信心の在り方を厳しく言うものだから、眼の上のタンコブのように思っているのだ」
「でも、・・・・私が生きているうちは、、正面きって、とやかくいう者はおるまい。
命がけで仏法を守ってきたのは、私しかいないのだから・・・。だが、私がいなくなり、日淳猊下もお亡くなりになれば・・・・あとは、何をするか、わかったものではないぞ」
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