極悪と戦えば極善となる

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追撃の手をゆるめるなⅥ


追撃の手をゆるめるな昭和33年4月3日本部幹部会豊島公会堂


その言葉は、しばしば途切れたが、ただならぬ気迫にあふれていた。


「衣の権威で、学会を奴隷のように意のままに操り、支配しようとする法主も、出てくるかもしれぬ。・・・・ことに、宗門の経済的な基盤が整い、金を持つようになれば、学会を切り捨てようとするにちがいない・・・。戦時中と同じように、宗門は、正法を滅亡させる元凶となり、天魔の住処にならないとも、限らないのだ・・・・。しかし・・・、日蓮大聖人の正法を滅ぼすようなことがあっては、断じてならない」


そして、戸田は最後の力を振り絞るように叫んだ。


「そのために、宗門に巣くう邪悪とは、断固、戦え。・・・・いいか、伸一。一歩も退いてはならんぞ。・・・・追撃の手をゆるめるな!」


それは、炎のような言葉であった。
瞬間、戸田の眼が燃え輝いた。これが、戸田の最後の指導であり、愛弟子への遺言となったのである。伸一は、その言々句々を命に焼きつけた。


「先生のお言葉、決して、忘れはいたしません」


伸一の言葉を聞くと、戸田は力尽きたかのように、静かに眼を閉じた。
しばらくすると、戸田の安らかな寝息が聞こえてきた。


追撃の手をゆるめるなⅤ

戸田は、話すことが苦しいと見え、途中ではァはァと何度も喘いだ。


「戦時中も、宗門は保身のために法を曲げ、大聖人の御遺命を破り、軍部政府に迎合した。・・・・そして、牧口先生と私が逮捕されるや、かかわりを恐れて、学会の登山を停止したのだ。…私は、憤怒に血の涙を飲む思いだった」


彼は肩で大きく息をしながら、話を続けた。



「戦時中、大聖人の仏法は、外敵によってではなく、臆病で姑息な僧侶の保身によって滅ぼされようとしたのだ。・・・・日亨上人も、日昇上人も、また、日淳猊下も、そのことで、ほんとうに苦慮されてきた。・・・・そのなかで、厳然と、大聖人の仏法の命脈を保ったのが、牧口先生であり、創価学会なのだ。・・・だから、大聖人の御精神は、ほんとうの信仰は、学会にしかない。・・・・宗門は、死身弘法を貫いた学会と戦後、僧俗和合してきたからこそ、大聖人の仏法を継承できたのだ。・・・・。もし、学会から離れるならば、・・・・大聖人の正義を踏みにじった謗法の宗でしかなくなってしまう」



「しかも・・・・学会は、宗門が財政的基盤を失い、壊滅の危機に瀕していたのを、信心の赤誠をもって、お助けしてきた。心ある僧侶は、それを感謝している。しかし・・・なかには、学会の大発展に嫉妬し、私に対して、反感をいだいている者もいる。・・・私が信心の在り方を厳しく言うものだから、眼の上のタンコブのように思っているのだ」



「でも、・・・・私が生きているうちは、、正面きって、とやかくいう者はおるまい。
命がけで仏法を守ってきたのは、私しかいないのだから・・・。だが、私がいなくなり、日淳猊下もお亡くなりになれば・・・・あとは、何をするか、わかったものではないぞ」

追撃の手をゆるめるなⅣ

総登山も、間もなく終わろうとしていた。
三月二十九日の朝、山本伸一は、登山会の進行状況を報告するために、戸田城聖の寝ている理鏡坊の二階に上がっていった。戸田は布団の中で静かに目を開けて、天井を見ながら、物思いに耽っているようであった。


「先生、ご容体はいかがでしょうか」


伸一が枕元に正座すると、戸田は顔だけ伸一の方に向けた。もはや、自分
では寝返りも打てぬほど、彼の体は衰弱していたのである。


「大丈夫だ。どうだ・・・総登山の様子は」


かすれた声で、とぎれとぎれに戸田が言った。
伸一はあの所化頭の一件を戸田に伝えた。戸田は眼を閉じて伸一の報告を聞いていたが、聞き終わると、さも残念そうな表情で語り始めた。


「情けないことだな・・・。これは、小さい事のようだが、・・・・宗門の腐敗、堕落という実に大きな問題をはらんでいるのだ。なぜ、堕落が始まり、腐敗していくのか・・・。それは、広宣流布という至上の目的に生きることを忘れているからなのだ。この一点が狂えば、すべてが狂ってしまう」


「残念なことだが・・・令法久住を口にしながらも、多くの僧侶が考えていることは、保身であり、私利私欲をいかに満たすかだ。・・・つまり、欲望の虜となり、畜生の心に堕してしまっているのだ。だから・・・自分より弱い立場の所化小僧などは、鬱憤晴らしのオモチャとしか考えない・・・・。また、学会員のことも、供養を運んでくる奴隷ぐらいにしか思わず、威張り散らす者もいるのだ・・・・」