極悪と戦えば極善となる

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提婆達多の悪を徹底して糾弾した釈尊Ⅱ

舎利弗は、王舎城で提婆達多の悪心を暴き、糾弾する。
提婆達多は、それを知ると狂乱せんばかりに憤った。


提婆達多は、アジャセ王をそそのかして、父のビンバシャラ王を殺させる。アジャセの権力で刺客を放ち、悪象をけしかけ、自ら大石を釈尊にめがけて落とすなど、あらゆる方法を使って釈尊を亡き者にしようと躍起になったが、それは全て失敗に終わる。


次に、提婆達多は教団を分裂させようとして、戒律に目をつけた。当時のインドでは苦行を尊ぶ風習があり、釈尊の教団の戒律よりもさらに厳しい五つ戒律を主張した。


「世尊、いかがでしょう」
「提婆達多よ、林に住みたい者には林に住めばよいし、人里に住みたい者には人里に住めばよい。自由ではないか」
「世尊がそうお考えなら仕方がありません」


あっけないほど、提婆達多は自分の意見を引っ込めた。


提婆達多は自分の手下を連れ、王舎城に向かった。ちょうど釈尊の新参の弟子たちが集まっていた。そしてその新参の弟子たちに語りかけた。


「世尊はこれまで、なんと説いてきたか、知っているか。欲望を制して、満足を知り、衣食住に対する執着の心、貪欲を捨て、精進せよ、と説いてきたのだ。私の提案は出家者としては当然ではないか。だが、世尊はそれを拒んだ。厳しき修行を厭い、贅沢が身についてしまっているからだ。私は、新しい仏陀の道を開くために五つ戒律を打ち立てて、修行に励むことにした。本当の仏陀の道わ極めようと思うなら私のところにこい!」


この提婆達多の言うことに誑かされて、何もわからない新参の弟子・五百人もの弟子が彼に従ってしまったという。
                                           (参考文献 法華経の智慧第3巻 新・人間革命第3巻仏陀の章)