極悪と戦えば極善となる

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信徒が僧侶の邪義を打ち破った尾張問答Ⅲ

その後、十月二十五日、十一月二日、十一月十日の三回にわたって、増右衛門、利蔵、右京の三人が、法華寺において、寺社奉行所の役人の監視のもとに、日蓮宗各派の役寺の高僧七人と対論しています。



寺社奉行としては、役寺(藩からの寺院に関する法令を伝達する役目の寺)に命じて三人を教化・改宗させようとしたものでしたが、利蔵を中心にした三人は、高僧たちの邪義を一つ一つ打ち破ったので、教化するはずの僧侶が、信徒側から誤りを指摘され、しばしば詰まって閉口したり、他の僧が信徒側の正義を認める珍妙なものになってしまいました。



大聖人から日興上人の二箇相承を認めさせ、身延の地頭・波木井実長の謗法を認めさせるなど、信徒側が大勝利したのです。これを「尾張問答」といいます。



堀日亨上人は、「問答は富士信徒の勝利にして役寺側の悲惨の敗北で能化所化(教化する側とされる側)全く位置を転道(逆転)したること三人は面目を公場に施し七寺は恥辱を不朽(永遠)に晒すのみならず富士信仰は少しも邪義にあらず却って日蓮宗中の正統正義なることを公吏(役人)に聞かしむるに帰した」(尾張法難史)と称賛しています。