私が吃音の悩みを完全克服した体験を、前前回の記事にあげたが、池田先生の著作『我が忘れ得ぬ同志』にこんなエピソードが載っていた。
【(長瀬)軍三さんが折伏した人に、八百屋の青年がいた。その青年は吃音が悩みであった。ある会合で、軍三さんはその青年に司会役を頼んだ。なんとか自信を持たせ、乗り越えさせたいという切なる思いからだった。青年は挑戦した。しかし、うまくいかず、会場から笑い声があがった】
【その時だ。軍三さんが怒った。「みんな、なんで笑うんだ。彼が必死に宿命転換に挑んでいるのに、ひどいじゃないか!」その目は涙で潤んでいた。笑った人たちは、軽率さを恥じた】
【青年は、軍三さんを「おやじ、おやじ」と心底から慕い、大成長して吃音も見事に乗り越えた。この青年は、後に保土ヶ谷区金沢区の区長を歴任した】